AWSからAsureへのWordPress移行(その3:データのインポート)

今回は、AWSからAsureへのWordPress移行作業の最後ということで、Azure上に構築したWordPress のApp ServiceにAWS上のWordPressからエクスポートしたデータをインポートしてみたいと思います。

この際、作業手順としては以下の通りです。

1.環境ファイル(wp-content)のリストア
2.投稿記事データのインポート

なお、Azure上でのWordPress環境構築と、AWS上のWordPressからのデータ・エクスポートについてはそれぞれ以下の記事で書いていますので、参考にしてください。

http://k2-ornata.com/aws_asure_wordpress_02/
http://k2-ornata.com/wordpress-backup/

1.環境ファイル(wp-content)のリストア

AWSのWordPress環境のバックアップファイル(wp-content.zip)をAzureの機能を使ってリストアします。

AWS環境ではOS環境から構築したので、こういったOSのディレクトリ環境のバックアップはsshを利用して行っていました。
しかし、AzureではApp Serviceを利用しますので、OSのディレクトリやファイルの操作もApp Service(Webアプリ)から実施します。
(これ融通はきかないかもしれませんが、楽でした!)

1-1.高度なツールの利用

Azureにログインし、WordPressのApp Service画面から「高度なツール」を選択します。なお、この時、App Serviceはまだ停止しておいた方がよいと思います。

Azureコンソール

次に以下の画面から「移動→」をクリックします。

Azureコンソール

すると、以下のKuduコンソールが表示されますので、上部のメニューから「Debug console」のプルダウンを開き、「CMD」を選択します。

Kuduコンソール

これでsshでサーバに乗り込んだのと同じような状態になりますので、上部のディレクトリ・リストからsite¥wwwroot に下っていきます。

Kuduコンソール

1-2.バックアップデータのドロップ

最終的にD:¥home¥site¥wwwrootまで移動したら、AWSのWordPressで取得しておいたバックアップデータ(wp-content.zip)ファイルを以下の図のようにドラッグ&ドロップで解凍します。

Kuduコンソール

【注意】
この操作により、D:¥home¥site¥wwwroot 上でZIPが解凍されることになります。もし、AWSでZIPファイルを作成する時に、wp-content 配下でZIPファイルを作成していた場合、wp-content ディレクトリ配下に移動した上で解凍してください。

うまくドラッグ&ドロップできたら、以下の画面の右上のように解凍の進行状況が表示されます。

Kuduコンソール

1-3.データ取り込み確認

解凍が完了したらApp Serviceを起動し、WordPressコンソールのプラグインの画面を確認してみてください。

Azureコンソール

AWS環境に導入していたプラグインと同じものが登録されていたら、正しくデータが取り込まれています。

【注意】
この段階では、プラグインが取り込まれただけで、有効化されておらず、設定もデフォルトに戻っているはずですので、再度、設定し直す必要があります。

2.投稿記事データのインポート

投稿記事データのインポートは、AWS, Azure環境に関係なく、WordPress のコンソールから実施します。

WordPress のコンソールの「ツール」から「インポート」を選択し、表示されたインポーターリストの下から2番目にある「WordPress」をインストールし、実行してください。

【失敗談】
最初、「WordPress」 のインポーターに気がつかず、「Blogger」 がそれっぽいと思い、それを実行してWordPressのデータを取り込もうとしてしまいました。
この為、特にエラーも出ないのにデータが取り込まれないので少し悩んでしまいました。

WordPressのインポーターを実行すると以下の画面が表示されますので、AWS環境で取得しておいた、xmlファイルを選択し、インポートします。

無事インポートできたら、以下の投稿者の割り当て画面が表示されますので、設定を行って、「実行」してください。
私の場合は、AWSで2つのアカウントを使っていた為、このタイミングで1つに統一することにしました。

これで基本的には、投稿記事のインポートも完了し、AWS環境とおなじように使えるようになっていると思います。
(私の場合、一部の画像の取り込みに失敗したというエラーがでていましたが、全部失敗したわけではなさそうなので、原因をこれから確認してみたいと思います。)

ただし途中で説明しましたが、プラグインは移行されただけで有効化されておらず、設定もデフォルトに戻っていると思いますので、注意してください。
(セキュリティがゆるゆるになっているはずですので!)

AWSからAsureへのWordPress移行(その2:WordPressサイト再構築)

前回、以下の記事のとおりAzureのアカウント作成までは済ませました。

http://k2-ornata.com/aws_to_asure_wordpress/

そこで今回は、そのアカウントを利用して、Azure上に無料枠でWordPressを構築します。

AWSより簡単?!Azure上のWordPress構築

そうなんです。以前、AWS上にWordPressを構築しましたが、今回はなんだかとても簡単でした。
簡単に感じた理由は以下の3つくらいかと思います。(1回やっているせいもあるかもしれませんが。)

【AzureでWordPressの構築が簡単な理由】
1.Web操作のみで構築からログインまで可能
2.その為、構築の手順が少ない(3ステップくらい)
3.HTTPSの通信暗号も勝手にセットアップしてくれる

この記事を書きながら思ったのですが、AWSの時はインスタンス(IaaS)としてWordPress環境を作成しましたが、今回のAzureはApp Service(SaaS)として構築したからかもしれませんね。

それでは順番に構築手順を説明していきます。

1.リソースの作成

Azureのホームから「リソースの作成」を選択します。

Azure Console

すると、検索フィールドが表示されますので、そこで「wordpress」と入力するとWordPressに関連したApp Serviceや仮想環境?が表示されます。

Azure Console

今回はここから、一番左上の「WordPress」を選択します。
この後、以下のようなWordPressの設定画面が表示されますので、「アプリ名」と「データベース プロバイダー」の2箇所を設定します。

Azure Console

【注意】
今回は無料枠なので、データベース プロバイダーとして「MySQL in App」を選択していますが、ちゃんと運用する場合はこちらを選ばない方が良さそうです。

この後、「作成」ボタンを押すと約1分くらいでWordPressの作成と展開が完了し、以下のように完了の通知があります。

Azure Console

通知から「リソースに移動」を押すと、今回作成したWordPressのApp Serviceの管理画面が表示されます。

Azure Console

2.WordPressのセットアップ

App Serviceの管理画面の右上に表示されている「URL」をクリックするとWordPressのセットアップ画面にアクセスできます。

なお、単純にURLのリンクをクリックしただけだとなぜか http でアクセスしてしまってパスワードが丸見え状態になってしまいます。

WordPress via http

そこで、http をhttps に書き換えてあげると、無事に通信が暗号化されました。

WordPress via https

最初から暗号化の設定がされているのは助かりますね。

この後、言語の設定やログイン情報の設定を行うとWordPressにログイン可能になります。

WordPress Setup

3.WordPressへのログイン

以下、ログイン画面になりますので、ここから「2.WordPressのセットアップ」で設定したID/パスワードでログインできます。

WordPress Login

なお、現時点ではID/パスワード以外のセキュリティ設定が何も無いに等しいので、一旦、WordPressをとめておくことにしました。

WordPressの停止は、App Service の管理画面から「停止」を選択することで行えます。

Azure Console

無事停止すると、先ほどのWordPressのURLにアクセスした時に、以下のエラーがブラウザに表示されるようになります。

WordPress access restriction

403エラー(アクセス禁止)になっているところが面白いですね。
AWSで作成したインスタンスと異なり、AzureではApp Serviceとして動かしているからでしょうか?
また、この青色のエラー画面がMicrosoftっぽいですねー。

次回は、AWSからAzureにWordPressのデータを移行してみたいと思います。

AWSからAsureへのWordPress移行(その1:Azureアカウント作成)

昨年の2月頃にAWSの無料枠でWordPressを利用し始めたのですが、そろそろ1年が経過しそうな状況です。

そこでAzureを勉強してみたいということもあり、Azureの無料枠を作成し、WordPressを移行してみることにしました。

Azureの無料アカウント枠作成にもクレジットカード情報が必要

無料枠とは言え、AWSと同じようにクレジットカード情報は必須のようです。以下、アカウントを作成し、Azureのポータルにアクセスするまでの流れです。

1.Azureサイトにログイン

まずは、以下のサイトにアクセスし、すでに持っていればMicrosoftのアカウントでログインします。(持っていなければ、ここで新規に作成します。)

Azure(無料アカウント作成)
https://azure.microsoft.com/ja-jp/free/

2.アカウント情報の登録

ログインすると氏名の情報以外に電子メールアドレスや電話番号などの情報が求められますので、それらを入力し、「次へ」ボタンを押します。

Azure

2.クレジットカード情報の入力

次に、クレジットカード情報を入力し、「次へ」を押します。

Azure

3.サブスクリプション契約への同意

最後に、サブスクリプション契約などに同意し、「サインアップ」を押します。

Azure

4.アカウント設定

Azureへのサインアップをするとこれまで入力した情報でアカウントの設定が始まります。

Azure

ちなみにこの画面、何か入力しないといけないようにも見えますが、特に操作する必要はありません。
設定が完了すると自動的にダッシュボードが表示されます。

5.Azureのダッシュボードを触ってみる

アカウントの設定が完了すると以下のようなWelcome画面が出ますので、「Portalで作成」を押してみます。

Azure

すると、以下のようなポータル画面が表示されます。

Azure Portal

ちなみに、こちらはポータル画面の左上にある「ホーム」のリンクをクリックしたところです。

Azure Home

また、この時、右上の🔔マークで通知が3件きているようでしたので開いてみたところ、今のアカウントは「無料枠」であと22,500円のクレジットが残っていることが確認できました。

今回はAzureの触り部分でしたが、WordPressの作成は、上記のホーム画面から「リソースの作成」を選ぶと簡単に構築できるようですので、次回の記事までにトライしてみたいと思います。