「ランサムウェア対策実践ガイド(マイナビ)」を読んでみたらランサム 攻撃への理解が深まった

ランサム 攻撃をいかに検知するか考えていたところ、マイナビから「「ランサムウェア対策実践ガイド」という本が2023年に出版されていたので読んでみることにしました。

ランサム 攻撃の流れがわかりやすい

本書の最初の方では、代表的はランサム 攻撃のパターンを2種類くらい提示し、その流れや攻撃のなかで利用される代表的なツールが整理されており、非常に役に立つ内容だと思いました。

なお攻撃の流れについては、MITRE にも触れられています。

攻撃対策も詳しく記載

ランサム 攻撃への対応についてもエンドポイント中心ではありますが、かなり詳しく書かれていると感じました。

特に著者がトレンドマイクロの方なので、このあたりの知見は高いのではないかと感じました。

ここまでの攻撃の流れや対策の説明から、ランサム 攻撃を検知する方法がよりクリアになってきました。

検知方法は物足りない

ログをつかったランサム 攻撃の検知については、ページ数もそこまで多くなくさらっと書いてある気がしました。

これは上述の通りトレインドマイクロの方が著者であり、また、インシデント発生時の顧客対応支援をされている方だからかなと思いました。

総括

SIEM にログを取り込んでどうランサムウェアの侵入を検知していくかが詳しく書かれていると良かったですね。

ただ、ランサムウェア の攻撃の流れや対策は詳しく記載されていましたので、検知方法に関するヒントは得られたのではないかと感じています。

またまた竹内謙礼さんの本「販売魔女と死の眼鏡」を読んでみました

最近、本を読むとなると仕事や私生活に役立ちそうなものを中心に買いあさっています。

その中でも、今、私の中で大注目なのは竹内謙礼さんのビジネスノベルシリーズになります。

その中で今回は「販売魔女と死の眼鏡」を読んでみました。

販売魔女と死の眼鏡(PHP文庫)

一見、他の本とくらべると軽い感じ?

正直、いろんなサイトのレビューを見ている感じ、他の本とくらべると評価が低いように思えました。

また本の厚さも若干薄いので、そこも少し購入をためらわれるところかもしれません。

しかし、実際に読んでみると、ビジネスマンとして考えなければならないことがしっかり書かれておりました。

人のこころが読めるとビジネスは楽勝なのか?

この本の主人公は、ある人にあこがれて会社を退職し、独立してバックの販売店を始めるのですが、最初はなかなかうまく売り上げが伸びません。

そんな中、突然、人の心が読める黒い眼鏡を手に入れます。

そして、それをビジネスに利用しようとしますが、人のこころが読めたからといってそう簡単にうまくいかず、悪戦苦闘していきます。

独立を考えている人にぜひおすすめ

その苦闘の中で、主人公は顧客が望んだとおり物やサービスを提供するだけではダメだということに気がついていきます。

もし私が同じように独立して会社を始めたとしても、この主人公と同じような考えに囚われ、この本の最後に得られるような考え方はできないでしょう。

これから独立を考えている人がいたら、ぜひ、この本を読んでみることをお勧めします。この本で得られる視点は、ビジネスを継続的に成長させていくために非常に重要だと思います。

また会社勤めをしている場合でも、単純にお客様の要望に応えていくだけでは疲弊していくだけで、仕事や自分自身の継続的な飛躍にはつながらないでしょう。
会社の中で自分がステップアップしていくためには非常に重要な考えかただと思います。

最後に

もしここまで読んできになる人がいたら、ぜひ買って最後まで読んでみてください。

また、竹内謙礼さんの他の本のレビューのリンクを貼っておきますので、その他にどんな本を書かれているのか気になる方は、こちらも見てみてもらえるとうれしいです。

http://k2-ornata.com/books_souzoku-kamen/

「相続仮面」でそのうちかならず発生する相続対策

いつも愛読させていただいている竹内謙礼さんの本ですが、今回は2018年に文庫化されていた「相続仮面(PHP文庫)」を読んでみました。

相続仮面(PHP文庫)

ビジネス戦略ノベルシリーズというと一見硬い内容に思われますが、実際に読んでみるといつもどおり非常に読みやすく、かつビジネスや実生活に役立つ内容となっております。

私の両親も80歳を超えまだ健在ですが、亡くなった時に家族でもめないように、ちゃんと考えておかないといけないなあと思わせられる一冊になっております。

ここではこの本を読んで印象に残ったことをまとめておきます。

1.相続税の考え方について

相続税は亡くなった人から相続するお金や物にかかる税金、という漠然とした認識しかありませんでした。

しかしながら、この本を読むことにより、

・相続の対象となる範囲(亡くなる前にもらったお金も対象になることがある!)
・相続税の対象となる物の価値(=金額に換算するといくらになるか)
・相続する人による税率の変化やざまざまな減税措置

などを知ることができます。

特に相続の対象となる範囲について、生前に亡くなった人からもらったお金が相続金に含まれるというのは、ちょっとびっくりしました。

例えば、自分が5000万円相続することになったとしても、生前に学費の支援などで1000万円贈与されていたとすると、相続の際に4000万円しかもらえないといことです。(さらにそこから相続税がかかるので、実際にはもっとすくなるなるらしいですが。)

2.遺言状の効果について

もし無くなった人が遺言状を残しており、誰にいくら相続したいとはっきり書いてあれば、それがそのまま適用されると考えておりましたが、実際には違うようです。

残された人の立場によって、主張すれば最低限もらえる相続の割合が決まっており、遺言に自分の名前がかかれていないからといって、全く諦める必要はないようです。

また、遺言状のレベルにも2つくらいあって、誰もがドラマなどで見聞きするような自筆の遺言状以外に公的な遺言状もあるらしいです。

3.相続をしたくない場合

普通、誰もがお金がもらえるのであれば相続を断ることはないと思いがちですが、

・相続を物でもらったので相続税がお金で払えない
・無くなった人に多額の借金があり、相続するとその借金まで引き取ってしまう

といった理由により相続をやめたい場合があるようです。

その場合には、亡くなってから3ヶ月以内に相続しない旨を申請しないと、自動的に相続したことになるらしいです。

ここまではプライベートでの相続の話を中心に感想を書いてきましたが、ビジネスによける株式の相続などについても触れられており、会社を経営されているひとにも相続を考えるきっかけになる良い本だと思います。

個人的には、相続仮面まわりの全体的なストーリーの流れについては、他の竹内さんの本に比べると難があるかなあとは思いましたが、いつもどおり勉強になり、みなさんにお勧めしたい本ですね。

「投資ミサイル」で資産投資の勉強

またまた竹内謙礼さんの本ですが、PHP文庫から販売されている「投資ミサイル」を読んでみましたので、その感想を書きたいと思います。

実はこの本、私は一度半年前くらいに読んだことがあるのですが、その時は、中盤の難しい投資理論についていけず、途中で投げ出していました。

しかしながら、先日、「猿の部長」を読んで、とてもいまの仕事に役に立ちそうなマーケティングの考え方が勉強できたので、あらためてこちらの本も読み直してみることにしました。

http://k2-ornata.com/books_general-manager-of-the-apes/

物語を読んでポートフォリオ理論が身に付く

この本はサブタイトルに「今度こそ最後まで読める」と書かれていますが、冒頭でも書いた通り、私は初回、最後までよむことができず、このポートフォリオ理論のあたりで挫折しました。

しかしながら株式について興味深い記述があったことは覚えており、久しぶりに再度読んでみることにしました。

今回も途中の細かい部分は読み飛ばしてしまいましたが、ポートフォリオ理論について書かれている部分では、リスクを低く押さえながら株式投資を行う理論だと理解しました。(ちょっとちがってたらすみません。)

具体的には以下の3つをバランスよく(本の中ではβの変数を使って、それぞれがうまくリスクを補完しあう形)で投資するのが良いようです。

・TOPIX
・国債
・銀行の定期預金

なおTOPIXとは東京証券取引所に上場している投資信託の1つで、ETF(Exchange Traded Found)と呼ばれているようです。

このTOPIXは年率6%と言われており、プロの投資家でもなかなかこの年率を超えることはできないというのは驚きです。

一方で国債や銀行の定期預金は費用に安定(リスクが低い)しており、これらを組み合わせるのがベストらしいです。

この辺りは、再度本を読み返したり、いろいろな情報を他の本やインターネットから集取し、さらに勉強していきたいと思います。

人間が陥りやすいプロスペクト理論

このプロスペクト理論、この本で初めて聞く言葉だったのですが、説明を見て少しショックを受けました。

この理論の説明の1つに「株に投資して少し値上がりすると、もっと儲かる可能性があるにもかかわらず、利益を確定する為に売ってしまう」というのがあるようです。

これはまさに私が昔ビットコインに投資した時を思い出させました。

そのとき私は、1ビットコイン が50,000円くらいのときに1ビットコインだけ購入していました。
そして、それからしばらくしてそれが約3倍の150,000円くらいになり、大急ぎで円に換金しました。

ところがみなさんもご存知の通り、その後はさらに値上がりして今は4,000,000円以上の価値になっています。

その他、ためになる話がもりだくさん

以上のような株の話以外にも、不動産への投資の考え方や、なぜ駐車場の無料にしているお店があるのかなど、投資の役にたったり、ビジネスの戦略がこの本にはちりばめられています。

気になった人は書店で手にとってみるといいと思います。

<参考文献>

ETFとは(シンプレクス)
https://www.simplexasset.com/etf/column/001.html

ETFのおすすめ銘柄を解説! (FISCO)
https://fisco.jp/media/etf-best/#日経225連動型のetf

「猿の部長」でマーケティングの勉強

これまで「竹内謙礼」さんと「青木寿幸」さんのビジネスノベルとして「会計天国」や「貯金兄弟」などの本を読んできました。

http://k2-ornata.com/book_kaikei-tengoku/

どれもビジネスの参考となりながら、小説としてもなかなか面白い本になっており、数日でよみ切っていました。

そんななか古本屋(すみません)で「猿の部長」を見つけたので、早速買って読んでみました。

「猿の部長」(PHP文庫)

この本はKindle Unlimitedでなかなか読み放題になってないんですよねー。

マーケテイングの理論だけではなく、実際のビジネスへの応用のヒントになるかも

タイトルだけみるとかなり奇抜な感じを受けますが、実際の内容もタイトルに違わず奇抜な状況になっています。

あることから主人公は猿が経済界を牛耳っている世界に入り込んでしまい、その世界の中で人間は、猿にいいように使われています。

そんな中で主人公はマーケティングのコンサルタントとして活躍し、ある会社で働いている5匹の猿の部長が担当している事業を、赤字やいきづまりの状態から黒字に次々に転換していきます。

その時に、マーケティングのいろいろな理論を駆使していくわけですが、その理論を展開するだけではなく、具体的なビジネスの施策におとしていきます。

とくにキツネザルが部長としてくる第4章の「新しい市場を自分たちで作る」は個人的に一番参考になりました。

自分がいま会社で担当しているサービスも、ただ今あるサービスを売っていくだけでは先がないと感じていましたので、今後、どうしていくべきかヒントになる部分があったと感じています。

また最後、主人公がある裏切りをされてしまうのですが、その後で自分としては考えてもいなかったどんでん返しがあり、小説としても楽しむことができました。

なにか仕事において、製品やサービスの拡販に行き詰まりを感じている方がいましたら、一度読んでみると参考になるかと思います。

IT企業の人が読んでも役に立つ「ITツール活用術」

「マンガでわかる!驚くほど仕事がはかどるITツール活用術(KADOKAWA)」という本をKindleで見つけたので、読んでみました。

読む前は、もしかしたら知っていることばかりかもしれないなぁと思っていましたが、実際に読んでみると、私の気がついていなかったポイントが書かれており、目からウロコなポイントがいくつかありました。

ただし、Google とSlackをメインに記載されているので、自分の会社がMicrosoft系のオフィスツールメインで利用している場合は、読み替えたり、実現できないことがあるかもしれませんので注意してください。

以下、この本を読んでいてウロコだったポイントを記載しておきます。

1.Teamsでの一括メンション

私も最近はTeamsやSlackでメンションすることがありますが、基本的に特定の個人に対してのみメンションしており、関係者全員にメンションすることはありません。

しかしながら、全員に見ておいてほしい内容があった場合、全員にメンションすることも検討したほうがいいのでは、と気がつかされました。

しかし!どうやらTeamsでは、「グループ」や「会議」のチェットスペースの参加者全員に一括してメンションを送る方法はなさそうです。

ちなみに、Teamsでチャットできるスペースは上記以外にも「チーム」や「チャネル」のチャットスペースがあり、これらについては、それぞれ「 @team」「 @channel」 とすれば一括してメンションができるようです。

まあ、個人的には「チーム」や「チャネル」のような大きな単位で一括メンションする機会はあまりなさそうですが。。。

2.会議案内へのアジェンダ添付

Outlookのスケジュール機能で会議案内を出した後、会議のアジェンダを作成した場合には、会議のスケジュールにアジェンダを添付するとよいと書かれており、たしかにそのとおりかもしれないと思いました。

どうもまだ自分もDXしきれていないようで、会議案内はスケジュール、会議資料はメールで連絡、としておりました。

しかし、会議案内自体にアジェンダの資料、もしくはその資料へのリンクを貼り付けておくと、会議参加者はメールを掘り返すことなく、当日のアジェンダを確認できるので便利だし、事前に確認してもらえる確率もあがりそうな気がします。

3.資料のチェックは会議チャットで事前に実施

たまに、誰かが作成した資料をチェックする為の会議が実施されることがあります。

しかし事前にチャットでその資料についてコメントしあえれば、会議の時間を減らせるかもしれませんし、コメントの状況によっては会議をやめてもいいかもしれないと気がつかされました。

その為に、前出のグループチャットや会議チャットを活用するのはありだなーと思います。

4.朝のクイック朝礼実施

この本に書かれているとおり、リモートワークが浸透して会社にあまり行く必要がなくなったのは楽で良いのですが、他のメンバーと顔を合わせる機会がめっきり減りました。

その為、チームの他のメンバーが何をやっているか把握しづらくなってきています。

そこで毎朝15分程度でいいのでクイック朝礼を実施するとよい、と書かれており、たしかに、それも考えた方がいいなあと思いました。

ただし、いきなり一方的にクイック朝礼を実施しようと言っても、朝の効率の良い時間を削られることになり抵抗のあるメンバーもいると思いますので、

・毎日実施するのか?
・朝の何時ごろに実施するか?
・全員参加にするか、それとも参加できるひとだけにするか?

は事前にメンバーで検討して決めた方がいいのではないかと思っています。

以上、4つほど目からウロコだった点を記載しましたが、これ以外にもExcelでいう「一時シートビュー」のような機能の紹介もあり、いろいろと業務を効率的に進めていく上で参考になる点がたくさん書いてありますので、気になる方は手にとってみてはいかがでしょうか?

「貯金兄弟」はこれから社会人になる人におすすめ

先日、「会計天国」という本を読んで会計の知識がつけられる上に、ストーリーも面白かったので、同じ作者が書いた「貯金兄弟」を読んでみることにしました。

お金にまつわるテクニックが手軽に学べる

「会計天国」がかなり良かったのでこの本を手に取りましたが、それは自分が少し会計に興味をもっていたからであり、そうそう面白い本ばかりではないだろうと、当初そこまでこの本には期待してはいませんでした。

しかし、この「貯金兄弟」もそれに違わずストーリーがおもしろいだけではなく、人生の中で必ず直面する、お金に関する選択肢や役に立つ知識がいろいろと埋め込まれていました。

特に私がハッとさせられたのは、保険や社会保証に関する自分の知識の無さと、住宅購入に関する思いがけない考え方です。

保険については、自分の場合、若い頃に会社に来た保険のセールスレディの提案をそのまま何も考えずに加入しており、どういった病気にどこまで保証されるのかをちゃんと確認していないことに改めて気づかされました。
最近は歳をとってきたこともあり、以前よりはそういったことに気を配るようになってきましたが、若い頃からこういうことを意識していれば、もっと節約や貯蓄ができていたかもしれません。

一方、社会保証については、怪我をして病院に行った場合、保険証を出せば費用の3割負担ですむくらいの知識しかありませんでしたが、費用が高額な場合、もっと負担してもらえる制度があることをこの本で知りました。
もしこの本を読んでいなければ、そのことに気づかず、大きな怪我をした時に自分の保険料を無駄にしていたかもしれません。

また、住宅購入に関しては、この本の中で兄弟が持ち家がいいか、賃貸がいいかを口論する場面がありますが、その中で兄が行った、土地を円の面積で考えるという部分が自分の発想にはなく、ハッとさせられました。
(最初はどういう意味かよくわからず、2、3回読み直しましたが。。。)

単純にお金の話だけではないストーリー

この本では、幼い頃、義理の父に虐待されて育った兄弟が火事から生き延び、お互いにお金に関して異なった考え方を持ちながら老後までを過ごしていくストーリーが描かれています。
そのストーリーの中で進学、人付き合い、保険、住宅などに関するお金の使い方について、異なった価値観(兄の方はあまり深く考えず、弟の方は考えすぎ)を持ちながら生活していきます。

しかしながら、この本は、ただ単純にお金の知識がつけられるビジネス書ライクにはなっていません。
兄の生涯の生活をベースとしながら、倹約家の弟との意見の対立や、火事のあと離れ離れになった義理の父との関係に関する疑念、そしてそもそもその火事を発生させた可能性のある弟の不思議な力についてなどについてうまく描かれており、最後まで飽きさせることなく読者を引っ張っていきます。

私の場合、前半は何日かに分けて読んでいましたが、後半は休みの日だったこともあり一気に読んでしまいました。

この作者の本は、いろんな角度からお金に関する知識を学べるものが多く、まだまだたくさん出版されているので、これからも読んでいきたいと思っています。

インスパイアされた本 – 「会計天国」

最近、仕事で社内の経費について考えることがあり、何にもそのあたりの知識が無いことに危機感を覚えたことから何か良いビジネス本がないかなあと探していました。
そんな中で、この「会計天国」という本に出会いました。

会計を扱った小説ということで、気軽に読めるかなあとおもって読み始めたところ、大正解。1日かからずに最後まで読むことができました。
会計は会社の仕事の中で多少触れたことはあるのですが、貸借対照表などの見方はまったく知らない私でしたが、なんとなくその重要性はわかった気がしました。

この本の中でも書かれていましたが、こういった会計書類は会社業績の結果だけを表しているものではなく、それらの書類の中から会社というものを動きを把握することができ、その問題点とこれから行うべきことが見えてくるという、非常に重要なものであるということが理解できました。

凄腕コンサルタントが会社経営に行き詰まった人をたった1時間のレクチャーで救っていく

この本の物語の主人公は北条という凄腕の会計コンサルタントが自動車事故で昏睡状態になってしまうところから始まります。

運び込まれた集中治療室の自分の体から幽体離脱した北条は、天国から迎えにきたオールバックでアタッシュケースを抱えた天使?のKから、死ぬまでの1週間の間に会社経営に困っている5人の人間を将来幸せにしてあげられたら現世にもどしてあげるといわれ、よく理解できないまま引き受けます。

たった1時間のレクチャーでそんな簡単に救えないだろうと思うところもありますが、彼ら5人はみんな行き詰まってわらをもつかむ思いの為、みんな必死で北条の話に耳を傾けます。

行き詰まった人たちとの軽妙な会話が魅力的

この天使との会話や、その後、北条がいろんな人や物に乗り移ってターゲットとなった5人を救ってあげるあたりの軽妙な会話は、私に「空中ブランコ」などの著者である奥田英朗を思い出させました。

この軽妙な会話のおかげで、会話の途中に沢山でてくる数字のお話にあまり苦痛を感じず、最後まで読み続けることができました。

正直に言うと、最初のターゲットの貸借対照表の途中まではお金の流れについていけていたのですが、だんだん正確なところは追えなくなってしまいました。
しかしながら、「財務諸表」「損益計算書」そして「貸借対照表」の「財務3表」の重要性はかなり伝わってきました。

そして、やはりそろそろこういった会計について理解した上で仕事を考えていく必要があるなあと、気持ちを新たにすることができるとともに、自分の会社の今のやり方にちょっと疑問を感じるようにもなってきました。

ビジネス本だけど、フィクションの小説もまた読んでみたいと思わせる

最近、ビジネス本を読むことがおおくなり、フィクションの小説からは少し遠ざかっていましたが、この本はビジネス本でありながら、フィクションの世界に久々に引き込んでくれ、そういった世界の面白さを再認識させてくれた本という意味でも、自分にとっては非常に貴重な一冊になったのではないかと思います。

また、近いうちにもう一度、数字の中身まで追いながら読んでみたいと思いますし、その他の会計の本も読んでみたいと思います。
そして何より、この著者の別の本もたくさん出ているようです(どうもすべて漢字4文字になっているっぽい)ので、読んでみようかなあと思っています。

目からウロコの本 – 「アウトルック最速仕事術」

30代くらいまでは、自分にとって本といえば小説で、アガサクリスティーや栗本薫などを読んでいたのですが、40代くらいからは小説だと現実から逃避しているような気がしてきました。

また仕事でも、いろいろとこのままでは行き詰まってしまうぞ、という感じがしてきていたので課題解決などのビジネス本をたまに読むようになってきたのですが、Kindleを手に入れてからは、無料で読めるビジネス本をチラチラと読みあさってきました。

そんな中でめずらしく、古本屋さんで買った本が今回ご紹介する森新さんの「アウトルック最速仕事術(ダイヤモンド社)」になります。

いまや誰もがつかっているアウトルック

しばらく諸事情により仕事で別のメールソフトを利用していたのですが、再度、今年の10月からアウトルックを使うことになりました。

しかし、かなり長いブランクがあり使い方をだいぶん忘れていたのですが、そんな中、ちかくの古本屋さんでこの本を見つけました。
チラチラと立ち読み(すみません)していると結構しらないことが書いてあるし、なにより読みやすい(1つのノウハウ毎に数ページずつ使ってわかりやすく書いてある)こともあり、買ってみることにしました。

しかもお値段が元々1,600円くらいだと思うのですが、中古ということで1,200円くらいになっており、さらに帯が無いので?そこから半額になっていました。

リモートワークの通信環境遅延対策に最適!

基本的にはアウトルックで使えるショートカット技が載っていてそれはそれで役になったのですが、個人的にはそれ以外に以下の内容がとても役に立ちました。

1.メール画面の初期表示設定
2.OSコマンドの効率的な呼び出し

1.メール画面の初期表示設定

個人的には、メール画面の構成としては、「メールフォルダ(左)」「受信メールリスト(上)」「メール内容(下)」の3ペイン構成がベストだと思っていました。

しかしこの本では、「メールフォルダ(左)」「メールリスト(中)」「スケジュール(左)」を推奨しています。

私は最初、この推奨は受け入れがたいなあと正直思っていました。これだとメール本文を確認する為に、いちいちメールをひらかなければならないので面倒ではないかと。。

しかし、試しに1度このパターンにしてみたところ、良さがわかってきました。

まず第一に、フォーカスするメールを変えた際に、いちいちメール本文が切り替わらない為、回線状態がよくない私のネット環境にやさしい気がします。

また、かならずしもメールを開かないと内容がわからないかというとそういうわけでもなく、メールリストの表示行を最大の3行にすれば、メールを開かなくても、大体、そのメールが何のメールだったか思い出すことができます。(まあ、初回は開きますが。)

また、開いたあと、いちいち閉じるのがめんどくさくないかという点もありましたが、閉じるのは[ESC]キーを押すだけです。
さらに、そのメールに返信をした時に自動的に元のメールを閉じる設定をしておけば、メールが開きすぎてぐちゃぐちゃになることもありません。

第二に、スケジュール確認の為、画面に切り替える必要が無いというのも大きなメリットです。

この画面の切り替えはショートカットでできるとはいえ、それなりに処理時間がかなります。(たぶん5秒くらいだと思いますが。)これを推奨パターンの画面にしておけば、往復で10秒、毎回時間を短縮することができます。

これは、今、ビデオ会議への参加や自分のスケジュール確認の為にいちいち画面を切り替えている人にとってはとても効率的だと思います。

また、別途、特定の人の組み合わせでスケジュールが空いているか確認したい場合のわざもこの本には書かれていますので、それを組み合わせれば最強に効率的かと思います。

2.OSコマンドの効率的な呼び出し

これはこの本を買ったときには気がついていなかったのですが、OSの[Win]+[R]ショートカットをつかった効率化も目から鱗でした。

もともとこのショートカットを知っていてたまにつかっていたのですが、この本に書かれている発想は正直ありませんでした。

いままでは、このショートカットでExplorerを起動して、それから特定のディレクトリまで移動するといったことをしていたのですが、回線環境がわるい場合、ひとつディレクトリを移動する毎に数秒待つ必要があり(最悪、2、3回くりかえさないと移動してくれないことも)とてもストレスがたまっていました。

しかしこの本でこのショートカットを使ったもっと効率的ななやり方があることに気がつかせてくれました。
もしかしたら、普段何気なくつかっているその他のOS機能の中にも、もっと効率的につかえるものがあるのではないかと気がつかせてくれるものでした。

新品で買っても損なし!(笑

ぜひ皆さんもこの本を買ってみて、隅々まで読んでみてもらえると良いと思います。
自分の会社のなかでは、かなりショートカットを使いこなしていると自負していた自分ですが、こんなに知らなかったことがあるのかと、改めて気がつかせてくれた良い本です。